老後の仕事を考えるために知っておきたい、定年以降も働くシニアの現状

「世はまさに大高齢化時代!」
厚生労働省が2016年に発表した「高年齢者の雇用状況」によると、70歳以上でも働ける企業の割合は2割を超えています。
老後を迎えたシニアが働く環境は広がりつつあり、今後もますます広がることになるでしょう。そして、その先に予想される、「定年後も働くのがあたりまえ」な社会。
日頃仕事に追われていると、「せめて老後は働かずにすませたい…」と思うかもしれませんが、現実的な老後の生活設計をするのであれば、ある程度の年齢までは働くことを織り込んでおいたほうが良い時代になってきています。
では実際、働いているシニアの労働事情とは、どんなものなのでしょうか?
老後働いているシニアの収入は?
まず、いちばん気になるところであろう、収入面について見てみましょう。
エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」が「シニアの労働観・労働実態」について調査したところによると、全体の約8割が10万円以上の収入を得ているという結果に。
※ データ:エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」調べ
なかでも、10万円から40万円の間が約6割を占めており、調査結果からは、このあたりが一般的なラインといえます。
当然、週に何日働くかなど、働き方によっても変わるところではありますが、仕事によって一定の収入を得ているシニアは少なくないようです。
働くことによって生活に困らない程度の収入を得ることや、いずれ働けなくなる時が来ても大丈夫なように備えておくということはできそうですね。
老後の仕事はどうやって見つける?
つぎに、老後働いている人が、自分の仕事をどのように見つけているのか、同じ調査の結果からいくつかのパターンに分けてみましょう。
※ データ:エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」調べ
・パターン1:自分で起業する
自分で起業したという人が3割を占め、最多となっています。
老後もまだ働こうという人はある程度の技術や経験、人脈や専門知識がある場合が多い、ということも考えられますが、もう会社勤めは十分、自分のペースで働きたい、という人が多いのかもしれません。
・パターン2:以前からの勤務先に勤めつづける
以前からの勤務先の「定年延長」「再雇用」というケースも比較的多いようで、あわせて2割程度となっています。冒頭にも述べたように、定年以降も働き続けられるしくみづくりが整ってきていることが背景にあると考えられます。
今後も企業側の制度やしくみの整備が進むにつれ、このパターンに当てはまる人の割合は伸びていくことが予想されます。
・パターン3:職探しを行い、就職
「求人へ直接応募」「ハローワーク」「転職サイト」「人材紹介/派遣会社」など、職探しをした結果働いているという人も、合わせると2割程度となります。
シニア世代であっても、ふつうに仕事を探せば見つかり、働けるようになってきているということなのかもしれません。シニアになったからといって、仕事するのをあきらめる必要はない時代になってきているのは、まちがいないようです。
・パターン4:人脈を活かして、仕事を見つける
「取引先・仕事仲間・知人などの紹介」という回答も、単独の選択肢としては2番目に多く選ばれており、よくあるパターンのひとつとなっています。
長年の仕事の中で築いてきた人間関係が老後の仕事につながるケースも少なくないということ。「持つべきものは友だち」ではないですが、人脈を築いておいて損はないといえます。
定年以降も働く道はさまざま。自分に合った働き方を考えておこう
定年となり、老後を迎えてからの仕事の見つけ方や働き方の選択肢はさまざま。今後さらに、シニア世代が働きやすいよう、企業側の体制も整ってくることが予想されており、ますます選択肢は広がるかもしれません。
これから老後を迎える世代であれば、まずは老後も働くのかどうかから考えることになるでしょう。そのうえで、働くことを想定する場合には、いつまで、どのように働くのか、できるだけ具体的にイメージしておくことが大切です。
「世はまさに大高齢化時代!」
そんな時代に老後を迎えるあなたの生活を充実させるのは、実は仕事なのかもしれません。