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働き方改革で話題の裁量労働制とは?今後は効率性が鍵に

JENNIE 編集部
2018年04月17日

働き方改革法案では裁量労働制の拡大が盛り込まれたものの取り下げられました。そこで、そもそも裁量労働制とは何か、メリットやデメリットを解説したうえで、新たにビジネスを立ち上げる場合のヒントにしていきます。

そもそも裁量労働制とは

労働基準法では、原則として実労働時間をもとに労働時間が算定され、賃金が支払われます。これに対して裁量労働制では、労働者に仕事の進め方や労働時間の裁量が与えられ、実際の労働時間に関わらず、あらかじめ決められた時間分を働いたとみなされて、賃金が支払われるものです。

ただし、裁量労働制のもとでも、休日の扱いは変わりませんので、休日出勤した場合は、休日手当の支給を受けるか、代休を取得する形になります。

労働基準法による裁量労働制は現在、「専門業務型」と「企画業務型」の2種類があり、限られた職種でのみ実施が認められています。専門業務型は研究職やデザイナー、テレビや映画のプロデューサーやディレクター、公認会計士や建築士、税理士、弁護士など、クリエイティブな職種や専門職が中心です。企画業務型は、企画立案を担うホワイトカラーが対象となっています。

また、裁量労働制の導入にあたっては、専門業務型は労働組合、または従業員の過半数の代表者との労使協定を結んだうえで、労働基準監督署への届け出が必要です。「企画業務型」はさらに、労使委員会の委員の4/5以上の多数の議決が必要であり、導入のハードルが高くなっています。

裁量労働制のメリットとデメリット

裁量労働制では、あらかじめ決められた成果を上げていれば、仕事の進め方や労働時間の裁量は労働者の側に委ねられます。たとえば、1日8時間のみなし時間であっても、仕事が進んでいれば毎日6時間や7時間で帰ることもできます。自分のやりやすい段取りの仕方で、効率良く働けることがメリットといえるでしょう。

一方、裁量労働制のデメリットは、みなし労働時間では終わらない成果を課せられた場合に、残業代が合法的に支払われない点です。1日のみなし労働時間が8時間の場合、毎日、10時間や12時間働いていても、残業代が支払われないのです。

労働時間が労働者に委ねられた結果、実労働時間では過労死が危惧されるラインまで働いてしまうことも危惧されます。また、実際には裁量労働制だからといって、自由な時間では働きにくいことからも、長時間の温床となりかねません。実際に裁量労働制が導入されている現場では、長時間労働が蔓延しているといわれています。

あるいは、裁量労働制の導入によって、労働時間がバラバラになると、チームワークが希薄になり、労働効率が低下する恐れがあります。あるいは、上司のライフスタイルにあわせて部下が働き、実質的に個人の裁量では働けないこともあるかもしれません。

裁量労働制で働く場合には、課される成果とみなし労働時間のバランスは問題ないのか、本当に自由な働き方ができるものなのか、確認する必要があります。

勝算があるのは価値を提供するビジネス

少子高齢化による人手不足が深刻化しているため、今後、人件費は高騰していくとみられています。あるいは、AIの活用によって、単純労働は自動化が進んでいくでしょう。人脈を駆使して多くの人を使って、人海戦術でこなすような労働集約型のビジネスで成功していくのは、今後は難しいと考えられています。

働き方改革では、裁量労働制は労働生産性を上げる手段のひとつとして、導入が検討されていました。これからの時代に起業するのであれば、付加価値を提供するビジネスの方が向いているといえるでしょう。

ーまとめー

裁量労働制が一概に問題があるとはいえませんが、みなし労働時間と課せられる成果のバランスが問題になります。みなし労働時間と課せられる成果のバランスが良ければ、労働生産性を向上させることにつながります。ただし、労働者の方が弱い立場ですので、裁量労働制の拡大は慎重に検討されるべきでしょう。

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