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定年以降も生き生きと働くために、知っておきたい3つの選択肢

向井 洋平
IICパートナーズ 常務取締役
年金数理人
1級DCプランナー
2017年10月02日

少し前までは、会社員が60歳で定年を迎えたらそこで引退というのが普通でしたが、法律の改正もあって現在では希望すれば基本的に60歳以降も同じ会社(もしくはグループ企業)で働くことができるようになりました。実際、人事の担当者からも60歳で定年を迎えても多くの社員は継続雇用を希望し、仕事を続けているという声が多く聞かれます。

しかし、定年後も働くための選択肢は継続雇用だけではありません。様々な選択肢を知ったうえで、自分の定年後の過ごし方をじっくり考え、行動を起こすことで、より生き生きと働ける環境や機会を見つけられるかもしれません。

同じ会社で働き続ける~継続雇用

多くの会社では60歳になった時点で一旦定年退職となるものの、希望すれば再雇用という形で働き続けることができます。仕事の内容や職場についても大きく変わらないケースが多いようですが、賃金や処遇については見直されることがほとんどです。

会社によっては定年自体を65歳に引き上げるなどして高齢者の雇用に積極的に取り組んでいるところもあります。しかし多数を占めるのは、とりあえず法律で求められる対応をとっているという会社であり、今後増えていく定年者をどう活用し、どう処遇していくのかはこれからの課題となっています。

高齢者をどれだけ活用できているかは、企業の規模や業種、職種によっても差があります。大企業よりは人材の限られている中小企業のほうが、また、管理職よりは専門・技術職や人間関係が重視される営業職のほうが、歓迎される傾向にあります。自分の会社の継続雇用制度がどうなっているのか、実際に継続雇用を選択した先輩は生き生きと働いているのかをよく確かめてみるとよいでしょう。

別の会社で働く~転職

転職というとせいぜい30代くらいまでで、定年前後になって転職を受け入れてくれる会社なんてあるのだろうかと疑問に思う方も多いかもしれません。再就職支援サービスを提供しているある会社の実績によると、確かに40歳以降では再就職が決まるまでの期間は長くなっていきます。しかし、60歳以上になると逆に就職先が決まりやすくなるという結果が出ています。

これは、60歳以上になると求職者の側が年収などに高い条件を求めないということもありますが、年齢に関係なく経験豊富な人材を必要としている企業が多く存在していることを意味しています。

何十年と同じ会社で働いていると、別の会社で働くということがなかなかイメージできず、転職という選択肢そのものが考えづらいかもしれません。しかし同じ会社で継続雇用を選択することになっても、定年を区切りとして処遇や立場は大きく変わる可能性があります。自分のこれまでの経験を生かせる会社や働き方が他にあるのか、具体的に探ってみることで新たな発見があるかもしれません。

仮に、最終的に継続雇用を選択することになっても、他と比較検討するというプロセスを踏むことによって、納得して前向きに仕事に取り組むことができるのではないでしょうか。

自分で仕事を始める~独立

3つの選択肢の中で、独立はもっともハードルが高いと思われるかもしれません。しかし私の周囲でも、定年後に独立して活躍している人は何人もいます。社労士事務所を立ち上げて顧問先の社員教育にも取り組んでいる人、会社の人事部時代の経験を生かして執筆・講演活動で活躍している人、資格を生かして店舗などの電気設備の定期点検業務を請け負っている人…。

事業が軌道に乗れば、自分のペースで体力の続く限り働き続けることができます。継続的に収入を得ることでお金の不安も後退しますし、何より自分で稼ぐのはやりがいがあります。理想的な働き方と言ってもいいでしょう。

現在、定年後に独立して活躍している人たちは、必ずしも定年前から計画的に準備を進めてきたわけではありません。60歳から年金の受け取りが始まり、退職金や企業年金もそれなりの金額があったことで、定年後に動き始めても初期投資や無収入の期間を乗り越える余裕があったのです。定年後の起業は大きなリスクを取るべきものではなく、仮にうまくいかなくても生活に困らない範囲でやるのが基本です。

これから定年を迎える世代は年金の支給開始が65歳になり、退職金や企業年金も十分ではないかもしれませんから、リスクを最小限に抑えて定年後すぐに独立するには定年前から準備を始めてあらかじめ目途をつけておくことが必要でしょう。しかし以前と違って今後は65歳までは継続雇用の権利があります。定年時に準備ができていなくても、一旦継続雇用で仕事を続けながら独立の道を探るのも1つの選択肢です。

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