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内部留保とはなに?お金との違いや問題とされる理由は?

JENNIE 編集部
2018年06月04日

「企業の過剰な内部留保に批判が集まっている」といったようなニュースを耳にしたことはありませんか?そもそも内部留保とは何を指すのか、そして、内部留保はなぜ問題になるのか、考えてみましょう。

内部留保とは何を指す?

内部留保とは、法人税を差し引いた企業の最終利益のうち、株主に配当せず、会社に残す利益のことをいいます。つまりは純利益から税金、配当金、役員報酬などを引いた残りの金額で、賃借対照表では、利益剰余金として計上される数字が、内部留保にあたります。

内訳としては、将来的な損失や支出に備えるための利益準備金、任意積立金、繰越利益剰余金などを合わせたもので、会計上は純資産に含まれます。
企業が内部留保を蓄積させるのは、内部留保が多いと銀行の信用度が増すためです。

過去の金融危機の教訓から、経営状況が厳しくなったときに備えて、企業は内部留保を多めに積んでおこうとするのです。

内部留保はお金ではない

内部留保は必ずしも現金というわけではありません。利益が上がれば、企業はそのなかから設備投資など、何らかの投資をします。現金の多くは資産に変わっているため、現金保有額と内部留保とは一致しないのです。

内部留保は、利益剰余金として資本金などと共に株主のお金となる純資産を構成しており、企業のお金の出元に分類されます。一方で現預金は、企業の資産内容に分類されます。企業の資産のうち、現預金をどれだけ保有するかということは経営戦略のひとつであるため、資金繰りと内部留保とは無関係なのです。

ただし、現金で保有する企業が増えているのも現状です。これは、多くの企業が国内経済の成長に不安を感じているためといえます。状況がさらに厳しくなってきたときに備え、設備投資などに使うのではなく、現金を手元に残しておきたいと考えているために、現金保有が増加しているのです。

内部留保が多いとどうなる?

一般に日本では、内部留保が多いと銀行の信用度が増します。過去に金融危機を経験し、銀行からの信用度を重視して、内部留保を蓄積させる企業が多いのです。

また、内部留保が多ければ、設備投資や買収など、大きな選択ができます。業績が多少悪化しても、内部留保の一部を取り崩して株式の安定配当を続けるという会社もあります。金融不安を取り除き、強固な経営基盤が築けるということが、内部留保のメリットといえるでしょう。

内部留保の蓄積が問題となる理由は?

経済の成長は、企業の積極的な投資なくしては成し得ません。景気の先行きが不安視されるなか、企業に投資を強要することはできませんが、そのまま余剰資金として溜め込んでいては、景気回復や、物価上昇を阻害してしまいます。過度の内部留保の蓄積が、経済の停滞を招いてしまうのです。

内部留保に対して課税をすべきという主張もありますが、内部留保の源泉である純利益には、すでに法人税が課税されています。つまり、内部留保課税は二重課税となってしまうのです。そのため、内部留保課税は正しい考え方とはいえないでしょう。

たとえ課税を行ったとしても、企業が日本で利益を計上して増税になることを避けるために、海外に本社や工場を移してしまうことが懸念されます。そうなれば、日本の雇用が失われ、産業集積も損なわれてしまいます。

また、増税により負担が増した企業がますますの投資の縮小や人件費の削減を行ってしまえば、経済のさらなる悪化を招き、まさに本末転倒となってしまうでしょう。

ーまとめー

内部留保は、企業だけの問題ではありません。企業が日本の将来の経済成長に希望を持てるような、抜本的な構造改革が求められます。加えて、企業がより活躍できるよう、規制緩和などの政策も必要です。

企業が今後の経済に明るい展望を持ち、賃上げや設備投資などに積極的になれるような社会をつくることが重要ではないでしょうか。

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