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廃止検討されている在職老齢年金制度とは

JENNIE 編集部
2019年06月28日

在職老齢年金制度が廃止検討されていることをご存知でしょうか。高齢者の就労意識を促すという考えから廃止の方向へ進んでいます。その背景を在職老齢年金制度が廃止された場合の影響とあわせて解説します。

在職老齢年金とは

公的年金制度のひとつに「在職老齢年金制度」というものがあります。一般的な老齢年金は、定年退職後に受け取ることができます。60歳を超えてからも働いている人は、その収入に応じて年金が減額、または停止されてしまう制度があり、それが「在職老齢年金制度」です。

在職老齢年金が支給される年齢は生年月日によって異なり、65歳を境にして大きな違いがあります。また、減額、停止される金額は、年金の基本月額と給料とボーナスの月額の合計金額から算出されます。ただし、年金の支給される年齢が65歳に移行してきているため、60歳から65歳未満の在職老齢年金制度は自然消滅することになります。

そもそも年金とは、高齢によって働けなくなるリスクに備える保険という意味合いが大きいものです。将来に備えて貯蓄などをしても、全ての人が十分な貯蓄をすることができるわけではありません。また、どれくらい長生きするか分からない状態で、いくら貯蓄をしておけば十分という金額は分からないものです。生涯にわたって受け取ることのできる年金は、全ての人が安定した老後を送れるように備えている制度なのです。

廃止に至る背景

一定以上の収入がある場合に年金が減額、停止されてしまう在職老齢年金制度は、定年後にも働いている人の就労意欲を奪ってしまう可能性があるという指摘があります。また、定年後でも働く人が増えているなか、時代に合っていないという意見もあり、評判は良くありませんでした。加えて、定年前に比べて収入が大幅に下がっている場合も多く、生活するために十分な収入を得ることも難しい人が多いという理由もあげられます。

もともとは働けなくなった人の保険としての年金制度なので、働ける人には支払わないという考え方は、制度の根本からすると間違った制度ではないでしょう。しかし、十分な収入を得られないうえに年金が減額または停止されてしまうと、働いているのに生活が苦しくなる人も出てきます。

また、年金を支給される権利のある人から見れば、働いて年金が減ってしまうのは納得がいかないものです。なかには働くことができても、「働かないで年金をもらう」という選択をする人もいるでしょう。このように、定年後でも働く意欲や能力のある人の就労促進に支障をきたすという考え方から、在職老齢年金制度を廃止する方向で検討されています。

廃止後の影響

在職老齢年金の制度が廃止されることで、60歳以上で仕事を続けていても年金の減額や停止を気にせずに働くことができるようになります。しかし、廃止後の影響を考えると手放しでは喜べないのが現状です。2016年度、在職老齢年金制度によって約1兆1,000億円の年金支出がおさえられました。在職老齢年金を廃止するためには、4,000億円もの財源が必要となります。その財源を捻出するために現役世代の負担が増えることになり、不満が出るとの見方もあります。

さらに、年金が支給される年齢が段階的に引き上げられているなか、将来的には70歳以上でしか年金が受給できない世代が出てきます。その世代から見ると、66歳や67歳から年金を受給できる人たちは得をしているように感じられるでしょう。そういった不公平感を補うために、働く60歳以上の人たちの年金を減額または停止する措置が必要だという意見もあります。世代間の不公平感が少なくなるようにバランスをとる必要性が論じられていますが、効果的な施策がないというのが現状です。

ーまとめー

年金受給者と保険料を納める現役世代のバランスが崩れてきているなかで、全ての人に対して公平に年金を支給することは難しい状態にあります。在職老齢年金の制度が廃止されなかった場合でも、生活保護など別の形で現役世代が負担をしなければならない可能性が高いことを覚悟しておく必要があるでしょう。

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