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安定した年金給付のために。年金積立金とは

JENNIE 編集部
2018年10月22日

2016年に年金積立金の収益が過去最高を記録しました。年金とは、現役で給与所得を得ている世代が納めた保険料を高齢者の年金として支払っているものですが、使わなかった分を積み立てて運用していることをご存知でしょうか。

今回は、年金積立金がどのようなもので、どのように運用されているのかを解説します。

公的年金制度の仕組みをおさらい

年金積立金を考える前に、まず、公的年金制度がどういうものであるのかをおさらいしましょう。公的年金制度とは、サラリーマンなどの現役世代が納めた保険料を、高齢者の年金として給付することに使う世代間扶養の制度です。自分で納めた保険料が年金として戻ってくるものではなく、その時に現役で働いている人たちが納めた保険料が年金として給付される仕組みになっています。

しかし、日本は少子高齢化が進み、将来世代の負担が大きくなってしまう可能性が高くなってきました。そこで、将来世代の負担を減らすために年金の給付に使われなかった分の年金を運用し、それによって得た収益を年金給付に活用しています。つまり、安定的な年金給付を目指して、あまった年金を運用するために積み立てているものが年金積立金です。

年金積立金はどのように運用されている?

年金の運用および管理は、年金積立金管理運用独立行政法人が行っています。年金積立金の運用は、長期的な運用を前提にして安定した運用をすることが重要です。そのため、年金積立金管理運用独立行政法人は基本ポートフォリオと呼ばれる資産構成割合に基づいて、投資先を分散させています。

国内債券や国内株式など国内向けのものだけでなく、外国債券や、外国株式などにも投資してリスクを抑えることが目的です。値動きの異なる資産に分散して投資を行うことによって、投資のリスクを低く抑える効果が期待できます。

また、時価の変動によって基本ポートフォリオと実際の資産構成割合に差が生じた場合は、資産を入れ替えるなどして基本ポートフォリオとの差を少なくする調整が必要です。

しかし、細かな値動きにその都度対応して資産を入れ替えることは、売買手数料などコスト面で考えると効率が悪くなる場合があります。そのため、基本ポートフォリオとの差が許容される範囲を乖離許容幅として設定し、コスト面での損益が出ないような運用を行っているのです。

2017年の資産構成割合は、国内債券27.50%、国内株式25.14%、外国債券14.77%、外国株式23.88%で、そのほか短期資産8.70%、財投債0.55%となっています。同じく2017年の運用実績は、収益率6.90%、収益額10兆810億円、運用資産額156兆3,832億円です。損益がないわけではありませんが、運用資産全体でみると黒字傾向で推移しています。

年金積立金の見通し

年金積立金は、5年ごとに財政検証が行われ、100年間継続的に使っていくという想定のもと運用されています。少子高齢化が進み、保険料での収入が減った場合でも安定した給付ができるように、年金積立金を使って安全で効率的な運用が行われているのです。既に一部の年金積立金は、実際の年金給付に充てられています。

また、標準的な年金給付の水準は、40年間平均的な収入がある夫と、専業主婦の妻というモデルケースに基づいて算出されています。現役世代の手取り収入に対する年金の給付額の割合を所得代替率といい、将来100年にわたって維持できるとされている所得代替率は50%です。

しかし、経済成長が滞った場合には所得代替率が30%台になる可能性も指摘されています。

ーまとめー

年金積立金は減少していく保険料を補填し、年金の安定した給付を長期間持続させるための大切な運用資金です。しかし、リスクを抑えた運用をしていても、確実に増えるというものではありません。年金積立金がどのように運用され、どのくらいの収益を上げているかをみて、将来どれくらいの年金が受け取れるかを予測し、老後の資金を考えるうえでの目安としてください。

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