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2017年1月から専業主婦も加入できるようになった「個人型確定拠出年金」について徹底解説

向井 洋平
IICパートナーズ 常務取締役
年金数理人
1級DCプランナー
2017年10月02日

2017年1月の法改正により、最近になってよく耳にするようになった「確定拠出年金」。
制度導入からすでに15年が経過しているにも関わらず、再び同年金が脚光を浴びた理由に、今回の法改正で加入者の条件が緩和されたことが挙げられます。

具体的に言えば、これまで対象外であった専業主婦や公務員の方も加入できるようになったこと。これをきっかけに、2017年に入ってから個人型の確定拠出年金の加入者は急速に増えています。さて、加入者が急増している個人型確定拠出年金とはそんなにお得なものなのか。個人型確定拠出年金のイロハと、享受できるとメリットなどをご説明します。

※法改正があったのは2016年5月です。

制度加入前に知っておきたい、そもそも確定拠出年金とは何なのか

確定拠出年金とはそもそもどういった年金のことなのか。端的に説明すれば将来に受給する年金の積み立てを、自身が運用していく私的年金制度のことを言います。私的年金制度とは、20歳以上の全国民が加入する「国民年金」や、会社員、公務員が加入する「厚生年金」のように租税など※1を割り当てて負担させる賦課方式と相対し、国以外の組織が運営する仕組みとなります。

もう少し具体的に説明すると、企業や個人が拠出した掛金を、自分で選んだ金融商品(株式や社債、公債、保険※2など)で毎月積み立て、運用、貯めていくのが確定拠出年金と言います。

この確定拠出年金ですが大別すると「個人型」と「企業型」があり、企業型は企業と※3従業員の双方が掛け金を支払う形、個人型は本人が自分で掛け金を積み立てるものとなります。個人型、企業型ともに共通しているのは、受給が60歳からとなり、途中での換金や脱退は基本的に認められていないこと。なお、個人型の掛け金は会社員の場合最大で年額27万6,000円となっています。運用面おいて、企業型の方が金銭面でお得です※4が、所属する企業が導入していなければ「個人型」に加入するほか選択肢がありません。

2017年7月時点の個人型確定拠出年金の加入者は58.4万人と、この1年間で2倍以上にまで増加しました。これだけ増えているということはそれ相応のメリットが見込めるというわけです。

※1:租税→基本は保険料
※2:株式や社債、公債→投資信託
※3:企業または企業と従業員の双方が掛金を払う
※4:企業型が「お得」なのは手数料が一般に企業負担であること
※5:確定拠出型年金→確定拠出年金

税制優遇あり? 個人型の確定拠出年金にはこんなメリットがある

個人型「確定」拠出年金のメリットとして挙げられるのは下記の通りです。

1.掛け金が全額所得控除の対象

個人型の場合は全額(ちなみに企業型の場合は本人の掛け金のみ)が「全額所得控除」の対象となります。例えば、年額限度額の27万6,000円を支払っている場合、所得税率が20%なら最大5万5,200円が年末調整で返還される計算となります。個人年金保険の場合も所得控除となりますが、これらの場合は一部だけが対象であることを考えると、かなりお得と言えます。
※住民税(通常10%)の控除もあり

2.運用で得られた利益は課税の対象外

先に説明した通り、確定拠出年金は金融商品を自ら選んで運用するわけですが、通常、これらで得た利益には税金がかかります。しかし、確定拠出年金の場合は税金が免除されるのです。

3.お金を受け取る際の税金も控除の対象となる

さらに、確定拠出年金で積み立てたお金をいざ、受給する際の税金も控除の対象となるというおまけつきです。

良いところ尽くしに思える確定拠出年金ですが、リスクとまで言い切れないものの、その性質から加入前、運用の際に注意してもらいたいたい点もあります。

加入前、「実」?運用中に気をつけておきたい3つのポイント

1.60歳になるまで引き出せない

確定拠出年金はあくまで老後のために資金を積み立てる制度であるため、60歳になる前に制度を脱退して資金を引き出すことはできません。そのため、掛金の全額所得控除という税制優遇を受けることができるのです。

60歳になるまで資金を引き出せないのはデメリットではありますが、老後資金を確実にとっておける制度だということもできます。

2.毎月、手数料が発生する

加入時に国民年金基金連合会に2,777円の手数料が発生するほか、加入後も国民年金基金連合会に毎月103円、事務委託先金融機関に毎月64円、さらに、運営管理機関となる金融機関にも支払いが生じます(金融機関によっては無料としています)。個人型確定拠出年金に加入するには、まず窓口となる金融機関を選ぶこととなりますが、その際はこの手数料の部分も確認しておきましょう。

3.金融商品は自分で選ぶ。元本割れの可能性もあり

積み立てた掛金をどの商品で運用するかは、金融機関が用意した商品ラインナップの中から自分で選ぶことになります。投資信託で運用すれば定期預金などと比べてより大きな収益を期待できますが、運用の結果次第では元本割れすることもあります。

受け取りまでの投資期間などを勘案し、取れるリスクに見合った商品を選択することが重要です。

4.受給額が支払額を下回る可能性がある

老後を公的年金だけに頼るわけにはいかない中で、自己責任とは言え、老後のためのお金を増やせる可能性がある確定拠出年金は魅力的です。一方で、自分で運用するということは相応の知識の習得が必要となります。自分が加入しているものがどういったものなかの、正しく理解し、賢く老後資金を準備しましょう。

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