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【ニッポン老後のお金事情】~第3回:生活に満足できているか

カトウマモル
編集/ライター
マーケティングコンサルタント
2017年12月06日

老後の生活に関する代表的なネガティブワード「孤独死」「老後破産」。

なんだか言葉の響きだけで怖くなりますし、いざ自分が老後を迎えた時にそうなったら…と想像すると、不安ばかりが募るのも無理はないことです。

当然、そうした現状が見受けられるからこそ出てきた言葉であるのはまちがいないのですが、実際、どれくらいこうした点は脅威となっているのでしょうか?

実際に老後の生活を送っている高齢者の実態を探るべく、「平成28年版高齢社会白書」から、いくつかのデータを紐解いていきたいと思います。

困ったときに頼れるのは…?老後の生活の課題

「孤独死」を防ぐために重要なひとつのポイントが「ご近所付き合い」。困ったときに近隣の人が助けになってくれるか環境は、はたしてあるのでしょうか。国際比較データからは、日本の困った事情が浮き彫りとなってしまいました。


※ 出典:平成28年版高齢社会白書(全体版)

近所の人と「相談事があったとき、相談したり、相談されたりする」割合は、日本が最も低く、18.6%。最も割合が高かったドイツでは2人に1人なのに対し、日本では5人に1人となり、なかなか自分の相談したいことを周りに相談できない高齢者の現状が浮かび上がってきます。

また「病気の時に助け合う」割合は、他の国もそこまで高くはないですが、日本はわずか5.9%。病気になったというシチュエーションにおいては「ご近所同士の助け合い」は現実にはあまり存在しないと言っても過言ではありません。

もちろん、近所同士の助け合いというのは、住んでいる地域によっても濃淡やコミュニティの有無など、環境が異なることでしょう。とはいえ、いずれにせよ、(この調査の対象となっている)外国のデータと比べると日本の方が「近所で助け合う精神」は薄そう、という悲しい事実。

さらに「親しい友人」についても「いない」という回答が最も多い我らが日本(日本25.9%、ドイツ17.1%、アメリカ11.9%、スウェーデン8.9%)。

老後の生活を迎えた際には、困ったときに頼れる存在が身近にいるかどうかが、ひとつの大きな課題となることは覚悟しておいた方が良さそうです。

経済面での満足度は高い高齢者の暮らし

とはいえ、そんなに心配ばかりする必要はなさそうです。今度は「老後破産」について、関係しそうなデータを見てみましょう。

「日々の暮らしで経済的に困ること」については77.5%が「困っていない」と回答しており、経済面での課題は(少なくとも現在の高齢者には)そこまで大きな圧力となっていない様子がうかがえます。

また、総合的に現在の生活に満足しているかについては88.3%が「満足している」と感じており、不自由さが先に立ったり、我慢を強いられているケースは少ないようです。

当然、これから老後を迎える人たちは状況が変わる可能性はあります。とはいえ現状では経済的には8割の人が困っておらず、総合的には9割の人が生活に満足できている、ということを考えると、老後の生活についてそこまで悲観する必要はない、といえそうです。

生活に満足できている人は多いが、課題も見られる現状

「孤独死」や「老後破産」といったキーワードを聞くと、「自分の老後はどうなるんだろう…」と不安を抱き、悲観的になってしまうこともあるかもしれません。

しかし、少なくともいま老後の生活を送っている人々は、そんなに困らず、それなりに満足した暮らしが送れているようです。

これから老後を迎える人たちも、意外とそんなに大きな問題には直面せず、すんなりと老後を迎えることができるかもしれません。

一方で、困ったときに頼れる人がいるかどうか、は課題となりがち。自分ひとりでどうこうできる問題ではないのが難しいところですが、身近な友人と今から相談してみたり、近所付き合いを見直したりしてみるのも良いかもしれません。

また、相談できる人が見つからない時に備える意味で、なんらかのサービスを依頼するなどの対応ができるよう、情報収集したり、余分にお金を準備しておくといった対策も考えられるでしょう。

明日は我が身、老後を迎えた高齢者のこうした現状を他人事と捉えるのではなく、自分の将来に向けた取り組みの参考としてはいかがでしょうか。

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