高血圧に伴う首・肩のこりを緩和するセルフケア

高血圧の時に身体に出るサインのひとつは肩甲骨から首の付け根にかけての背中の張り。状態が酷くなってしまったら病院でお世話になるでしょうが、日頃から自分でケアする方法がわかっていれば、こうした身体の変調に早い段階で気がつき、酷くなる前の対処ができるようになります。通常はマッサージが禁忌とされている高血圧。けれども今回はそんな時でも安心してできるセルフケアについてご紹介します。
目次
イタ気持ちいいセルフケアで自らの身体を知りバランスを整える操体法
人の体は自分の触れる範囲のケアで間に合うようにできています。触れやすい場所のケアで肩の重さを改善し、肩こりが起きにくい状態へと導きます。今回は通勤時や仕事中でもバレずにできる、軽い体操を実践してみましょう。

柔道整復師
院長:下井征典さん
手関節伸筋支帯:腕から肩へのケア1



母子腱:腕から肩へのケア2


橈骨(とうこつ)骨膜ライン:首の後ろの凝りをほぐす

骨をゴシゴシとしごくイメージで。[/
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今回は、ひふみ健康院の加藤廣直院長が考案なさった、「理学操体法」をメソッドにしたセルフケアを下井接骨院の下井征典院長よりご紹介させていただいています。
高血圧はアクセルのベタ踏み状態不調は不摂生を示す身体からのサイン

高血圧は、車のエンジンに例えるなら走り続けるためにエンジンをブンブンふかして回転数を上げ続けている状態。生きていくために血圧を高い状態で維持していないとならない(=無理をし続けている)状態になっています。
健康は日頃の生活環境から。一般的にバランスの取れた規則正しい生活を送っていれば良いはずですが、実際は仕事が忙しくて睡眠時間が少なかったり、食事の時間が不規則だったりと不摂生をしている人のほうが多いのではないでしょうか。
「健康は“息・食・動・想・環”の自然法則のバランスで成り立っており、私たちはこのバランスの中で生きています」と下井院長。このバランスが崩れると痛みや苦痛という形で私たちの体にサインが送られます。
このサインを早期に受け取ることができれば、自己回復ができますが、気づけなければ体調は悪くなり、「病気」という目に見える結果で私たちに最終通告をしてくるのです。
心身を健康へと導く、抑えておきたい5つの自然法則
息(呼吸)
人間は呼吸で酸素を取り込み、生命活動を維持しています。取り入れた酸素が胸郭(きょうかく=肋骨)を広げることで肩周辺、背中周辺の筋肉を緩めてくれるのです。体調が悪い場合は呼吸が浅くなることも。意識をして深呼吸することが大切です。
食(食生活)
食も身体をつくる上で必要不可欠。栄養の偏った食生活を続けることで病気のリスクが増えていきます。「良く噛んで飲み込む」だけでも体調は変わっていきます。
動(姿勢・体勢)
無理な体勢での動作は、痛みや怪我の原因となることも多いもの。特にスマホは下を向いた状態を長時間維持するため首や肩に負担をかけるだけでなく肘を曲げたまま腕を維持し続けることになり、肘の動きも悪くなります。悪い姿勢をなくすだけで不思議と痛みは楽になっていきます。
想(思考)
“健やかな身体は健やかな精神に宿る”の指針とも言える「思考」。ネガティブかつ悲観的に物事を捉えがちな人は、知らず知らずのうちに体調不良を呼び寄せています。考え方を少し変えるだけで思考も体調も変わっていきます。
環(環境)
生きる上で欠かせない「環境」。人格形成の基盤となる “家庭環境”、仕事や職場での人間関係を反映する “社会環境”、など毎日を取り巻く環境にも影響を受けます。「なんとなく心地よい」と思える環境に身を置くことが大切です。
身体への感謝を行動で表現。セルフケアから自身の生活を見つめ直す

私たちの生活を支える5つの自然法則。このバランスが崩れると、身体の異常や不調という形で、私たちにダイレクトなメッセージを送ってきます。
「高血圧からくる肩や首のコリも、このバランスが崩れることによって、身体が“血圧を上げることで現状を維持するために奮闘している”のです。真面目で我慢強く、踏ん張りがきく人に多いですね」と下井院長。
「血圧を上げ続けている状態」というのは体への負担が大きく、放っておくとさまざまな病気を引き起こす原因となるため、バランスを整えて血圧が上がらなくても良い状態に戻してあげる必要があります。
病院で治療を受けることもひとつの解決法ではありますが、単に血圧を下げるだけではなく、「自分の生活における全体的なバランスを見つめ直す」ことにもぜひ取り組んでほしいとのこと。
「私がよく話すのは、身体への感謝を行動で表現していますか? ということ。身体と心をいったん離して、セルフケアをしてあげると身体は喜び、応えてくれます。それを継続することで、身体の状態に敏感になり、病気の予兆に早く気づくことができるようになります。それは同時に生活や身体のことを考え直すきっかけにもなる。まずは毎日できることから始めてみてください」。
※メソッド提供:ひふみ健康 院長 加藤廣直先生(理学操体) 住所:〒989-6162 宮城県大崎市古川中里3-10-23 電話番号:0229-25-6114 URL:
http://hihumi-soutai.com/

取材協力
下井接骨院
- 住所
- 〒123-0842 東京都足立区栗原4-9-8
- 電話番号
- 03-3855-4800
手首から下は腕〜肩、手首から上は肩〜首のケアに繋がるとされています。今回は「首・肩のコリ」の解消法として3パターンのセルフケア術をご紹介します。