腰痛対策のカギは足! 腰のトラブルを改善するセルフケア

腰痛は多くの人が抱える悩みの一つです。人間の体重の約5分の3が上半身にあり、それを支え続けている腰に負担がかかってしまうことが原因と考えられます。
腰に痛みやだるさ、張りを感じたとき、通常は腰のストレッチや体操、マッサージなどで対処しようとしますが、今回は「足」をケアして改善する方法を、下井接骨院の下井征典さんに教わりました。
目次
腰を支える足をケアして、腰の負担を軽くする方法
自分の腰をマッサージするのは、なかなか難しいものです。そこで試していただきたいのが、足の指からくるぶし、ふくらはぎ、太ももにアプローチするセルフケア。骨から筋肉や腱をはがしたり、はじいたりするイメージで行うのがポイントです。

柔道整復師
院長:下井征典さん
親指の腱をはじく

親指の骨と筋肉をはがす

くるぶしの骨をしごく

ふくらはぎの骨と筋肉をはがす

太ももの骨と筋肉をはがす

今回は、ひふみ健康院の加藤廣直院長が考案なさった、「理学操体法」をメソッドにしたセルフケアを下井接骨院の下井征典院長よりご紹介させていただいています。
腰痛の原因は3つ。正しいケアで痛みを未然に防いだり改善につなげたりする
腰痛になると、日々の生活をするのも辛くなります。腰に大きな負担をかけた覚えはないのに腰痛を起こしてしまうのは、なぜなのでしょうか。
「腰痛の原因は大きく3つに分けられます。1つ目は疲労性腰痛。これは、同じ姿勢をずっと続け、腰の筋肉が疲労することによって起こります。例えば、デスクワークで椅子に座り続けたり、立ちっぱなしが続いたりしたときなどです」と下井さん。
「2つ目はギックリ腰。原因として考えられるのは、寒さや冷えによって、筋肉への血流が悪くなったり、神経が過敏になったりすることによる筋肉の拘縮です。筋肉が硬くなると柔軟性が低下するので、急な動きをすると腰を傷めてしまうリスクが高くなります」。運動して体温を上げ、筋肉を冷やさないことが、ギックリ腰の予防になるそうです。
「3つ目は老化による腰痛。加齢により、背骨のクッションといわれる椎間板の潤いがなくなり、軟骨もすり減ってしまうため、関節の動きに影響が出ます。また、筋力の衰えや骨密度の低下も、腰痛を引き起こす原因になります」。
腰に痛みを感じたら、自分の生活を振り返るチャンス
腰痛になったとき、すぐに治したいと思うのは当然のことですが、下井さんは、「腰痛を治すことだけを優先するのではなく、そうなってしまった生活にも目を向けて欲しい」といいます。
「腰に痛みが出てしまうのは、体に無理をさせてしまった証拠です。痛みを感じて初めて、体に負担をかけていたことに気づくのではなく、日頃から頑張ってくれている自分の体に感謝することが大切なのではないでしょうか」。
医療機関に行って腰痛が治っても、生活スタイルが変わらなければ、再発してしまう可能性があります。そうならないためには、常に自分の体に意識を向けることが重要なのです。
ちなみに、「急性の腰痛の際は、痛い姿勢を避け、とにかく無理をしないで2~3日安静にすることが大切」と下井さんはアドバイスします。
筋肉や腱を骨から引きはがすケアで、からだ本来の動きを引き出す
腰が痛いときは、腰のストレッチやマッサージをするのが一般的ですが、痛いときに無理に伸ばしたりもんだりしても、体に余計な負担をかけてしまいます。
「腰が疲れているときは、いつも腰を支えている足にも疲れがきています。それをほぐしてあげると、腰の負担が軽減され、痛みがやわらぐはずです」。
下井さんが紹介する今回のセルフケアは、骨膜や腱に刺激を与えると体が自律調整を行ってくれる「理学操体法」の考え方を取り入れたもの。「骨から筋肉や腱を引きはがすことにより、骨、筋肉、腱、皮膚、それぞれが働きやすいスペースを作るようにするのがポイントです」。
イタ気持ちいいを通り越して、無理にやり過ぎると逆に傷めてしまうので、腹八分くらいの気持ちで行いましょう。
※メソッド提供:ひふみ健康 院長 加藤廣直先生(理学操体) 住所:〒989-6162 宮城県大崎市古川中里3-10-23 電話番号:0229-25-6114 URL:
http://hihumi-soutai.com/

取材協力
下井接骨院
- 住所
- 〒123-0842 東京都足立区栗原4-9-8
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自分の体が今どんな状態にあるのか、耳を澄ませるように体に触れてみてください。