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胃腸の健康を保つことは、若々しさや仕事のパフォーマンスUPにも繋がる

梶野佐智子
ライター/編集
2018年04月26日

お花見や歓送迎会が続きお酒を楽しむ機会が増えるこの季節、ビジネスパーソンの胃腸は疲れぎみ。仕事のストレスで、年間を通して胃腸の調子がよくないという方もいるでしょう。けれどその症状、放っておいては危険かもしれません。
胃がん、大腸がんは、がん罹患数の上位を占めています。日本では毎年、胃がんで約5万人、大腸がんで約10万人が命を落としているのです。
身近でありながら、実はあまりよく知らない胃腸について『ファミリークリニック ひきふね』の院長である梅舟仰胤(うめふね ぎょうたね)先生にお話を伺いました。

ファミリークリニック  ひきふね
梅舟仰胤 院長

「胃腸は、身体の健康状態を映す鏡のような臓器です」と梅舟先生。食べものを消化・吸収し、不要なものを便として排出する胃腸は健康の要であることは間違いありません。
胃腸にはウイルスや細菌から身体を守る免疫細胞がたくさん分布しています。そのため、胃腸の調子が悪くなれば免疫細胞の働きも悪くなり、病気になりやすくなってしまいます。
「免疫力が落ちれば、老廃物を排出する働きも滞ってお肌の調子も悪くなります。胃腸の健康は若々しさにも影響するのです」

影響はそれだけにとどまりません。
「特に腸は“第二の脳”と呼ばれており、腸内環境が悪化すると、その不快なシグナルを脳が受け取り、鬱々とした気分になりやすくなります。自律神経の働きにも影響するため、体温調節が上手くいかず、頭がぼーっとして集中できなくなってしまいます」
胃腸の調子はメンタルヘルスや集中力低下にも関わっているのです。

胃腸の働きを改善するために、心掛けたい生活習慣

胃がもたれる、胸やけがする、便秘や下痢が続いている、胃痛や腹痛があるなど、さまざまな症状を抱えた人たちが梅舟先生のクリニックを訪れます。しかし、その7~8割の人が、検査をしても何の異常も見つからないのだそうです。
「例えばポリープ、潰瘍、がんの発生など、目に見える異常がない人が大多数。それにも関わらず辛い症状があるのは、胃腸の“働き”が弱っているからです」

ひと昔前までは、目に見える異常がなければ「問題なし」と判断されてきました。しかし、辛い症状に悩まされる人が急増するなかで、医療の現場も変わってきたようです。
「学会でも注目のトピックとなっており、胃の症状は“機能性ディスペプシア”、腸の症状は“過敏性腸症候群”といった名称がつき、治療が行われるようになりました」
基本的には、胃や腸の“働きを整える”投薬治療が中心。『ファミリークリニック ひきふね』では、患者さんの要望に合わせて漢方の処方も行っています。

梅舟先生によると胃腸の働きが悪くなる原因は、ストレス、冷え、疲れ、食生活の乱れ。
薬や漢方で胃腸の働きをサポートすることはできても、改善するためには(正常にするためには)生活習慣の見直しは「欠かせない」そう。そこで、胃腸の働きを整える生活習慣のポイントを教えていただきました。

・適度な運動をする
適度な運動はストレス解消にもなり、胃腸の働きを司る自律神経のバランスが整います。

・身体やお腹を冷やさない
細胞が働くのに適した温度は38度前後。冷えによって免疫細胞の働きや血行が悪くなると、十分な栄養素が行き届かず、老廃物も排出されにくくなります。

・1日3食、バランスのとれた食事をする
胃腸の働きは、規則正しく使うことで保たれます。可能な限り同じ時間に食事をとり、食物繊維の豊富な野菜や、善玉菌を含む発酵食品を積極的に食べて腸内環境を整えましょう。

・腹7分目を心掛ける
「腹八分目は医者いらず」ということわざがありますが、胃腸に本当によいのは“腹七分目”。長寿遺伝子と呼ばれて話題になっている“サーチュイン遺伝子”も活性化します。

・夕食は睡眠の2時間前までに済ませる
睡眠時は胃袋のなかに何もない状況が理想的です。横になると消化効率が一気に落ちるため、未消化物が残ってしまい胃もたれの原因となります。

定期的な内視鏡検査で、胃がん、大腸がんに備える

胃腸の不調を訴える人の7~8割は、検査しても異常が見つからないにも関わらず、胃がん・大腸がんで約15万人が毎年亡くなっている現実があります。梅舟先生はその理由を「定期的な内視鏡検査を避ける人が多いため」と言います。不調があるのに異常がないのと裏腹に、まったく不調を感じないうちに、がんが進行していることも多いのです。
胃がん・大腸がんは、その死亡者数の多さから完治が難しいと思いがちですが、早期に発見さえできれば治療は難しくないそう。

「胃がんの最大のリスク因子はピロリ菌だとわかっています。ピロリ菌の感染の有無を検査し、これを除菌すれば胃がんの発生リスクは大幅に低下できます。大腸がんに関しては明確なリスク因子は不明ですが、腺腫性ポリープが時間をかけてがん化する場合がほとんど。腺腫性ポリープや早期がんのうちに切除することは、それほど難しくありません」

ただし、早期発見には定期的な内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)が必要になり、「苦しい」「恥ずかしい」などの理由で検査を躊躇する人が少なくありません。その結果、進行してからがんが発覚し、完治のチャンスを逃しているのです。
35歳を過ぎたあたりから胃腸は衰えるため、不調があるならもちろん、まったく不調を感じていなくとも定期的な内視鏡検査が必要だと梅舟先生は訴えます。
「例外的なスキルス性の胃がんもありますが、ほとんどの胃がん・大腸がんは早期に発見できれば、命を落とさずにすむのです」

梅舟先生は「定期的な内視鏡検査が広まらないのは医療従事者の問題でもある」と続けます。
「苦痛があるから検査を受けたくない、というのは当然の感情です。当院では患者さまの苦痛を和らげるために、鎮静剤を使用した内視鏡検査を実施しています」
ウトウトと眠っている間に検査が終わるため、「これなら毎年でも検査できる」と喜ぶ患者さんも多いそう。

生活習慣を見直して胃腸の働きを正常にすること、定期的に内視鏡検査を行って胃がんや大腸がんの早期発見に努めること。これが健康に若々しく生き抜くための両輪です。

取材協力

ファミリークリニックひきふね

住所

〒131-0046 墨田区京島1-36-1マークフロントタワー曳舟1階

電話番号

03‐3617‐3333

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