肝臓の健康を保つには?お酒を飲まない人も気をつけて!

自分はお酒をあまり飲まないから肝臓は健康だと思っている人でも、会社の健康診断などで指摘されてしまったという経験もあるのではないでしょうか。たしかに肝臓を悪くするというとお酒の飲み過ぎがイメージされますが、実はお酒を飲まない人も注意が必要なのです。
将来の健やかな生活のために知っておきたい肝臓の健康を保つ方法についてご紹介します。
肝臓の健康が脅かされるとどうなる?
健康診断で注意を受けたことをきっかけに、肝臓の健康を保つ方法を知りたいと思った人もいるでしょう。まず、肝臓の基本について簡単にご紹介します。
肝臓は、私たちの体の中で最も大きい臓器。重さは1キログラム以上です。すべての臓器の中で唯一、切り取られても再生が可能という優れた特徴を持ちます。そのため、丈夫な臓器と思われるかもしれません。しかし、慢性的に炎症が続くと元に戻れなくなる弱さもあるため、肝臓に負担をかける生活をしない心がけが大切です。
肝臓の主な働きは3つ。栄養素の代謝と解毒、胆汁の生成です。肝臓には痛みを感じる神経がありません。そのため肝臓が悪くなっても症状が出にくいのです。沈黙の臓器と呼ばれる理由はそこにあります。
肝臓は、私たちが口にする食べ物、飲み物の影響を受けます。肝臓を悪くしやすいのは酒飲みだけと思っている人が多いかもしれませんが、実は日本人の脂肪肝で一番多い原因は飲み過ぎではなく食べ過ぎです。脂肪肝には肝硬変や肝臓がんのリスクを上昇させる可能性もあり、注意が必要です。さまざまな生活習慣病の温床にもなり、肝臓の機能が悪化し始めた初期は血流が悪くなることで疲れやすさを感じるようになります。
【食生活編】肝臓を健康に保つ方法
肝臓を健康に保つために、日々口にする食べ物の内容を意識してみましょう。脂肪肝に太っている、やせているは関係ありません。見た目ではわからないため、どんな体型の人でも気をつける必要があります。
肝臓に負担をかける過食や多量飲酒は避けましょう。強い、弱いに関係なく飲んだ分だけ、お酒は肝臓に負担をかけています。肝臓の健康維持に良いとされるほかのポイントは下記3つです。
(1)糖質を摂りすぎない
肝臓には体内の糖質を調整する働きがあり、糖質をブドウ糖に変えたり余ったブドウ糖を脂肪細胞に蓄えたりします。糖質の多い果物やご飯、パン、麺類などを過剰摂取しないように注意しましょう。
(2)食べる順番を変える
食事を摂ると血糖値が上昇します。血糖値の急激な上昇が脂肪肝を引き起こすため、緩やかに上昇するような食べ方がおすすめです。まず野菜から食べ、次に肉や魚、最後にご飯の順番にすると血糖値の急上昇を防げます。
(3)肝臓に良い食材を積極的に食べる
バランスの良い食事が大切であることは言うまでもありませんが、その中で肝臓に良いとされる食材を食事に取り入れましょう。大豆製品、牡蠣、アサリ、しじみ、イカ、海藻、キノコ類などが良いとされています。
【生活習慣編】肝臓を健康に保つ方法
食生活以外の生活習慣にも肝臓を健康に保つポイントがあります。アルコールの飲み過ぎやウイルス感染によるものではない脂肪肝を非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)といいます。生活習慣が原因の脂肪肝は、生活習慣の改善で予防できます。
(1)夜型の生活を避ける
仕事やプライベートの外出で遅くなったことをきっかけに夜型の生活が習慣になってしまう人がいます。一時的であれば問題ありませんが、夜型の生活が習慣になってしまうと自律神経のバランスが乱れ、肝臓に悪影響を与えます。なるべく規則正しい生活を心がけましょう。
(2)筋肉をつける運動をする
運動習慣のない生活を続けていると、知らず知らずのうちに筋肉が衰えてしまいます。筋肉をつけると脂肪が燃えやすくなります。軽い筋トレやインナーマッスルを鍛える運動を生活に取り入れましょう。
(3)薬を常用しない
私たちが飲む薬は、肝臓で分解、解毒されています。薬自体の効果も重要ですが、安易に長期間飲み続けてしまうと肝臓の解毒システムに負担がかかります。長期連用を避けるようにと注意書きのある市販薬もあるため、用量を守るだけでなく説明書をしっかり読んでから使用しましょう。
ーまとめー
肝臓は優れた機能を持つ臓器ですが、負担がかかった時に症状として出づらいため普段から意識的に大事にしたいものです。日々の生活の質の向上が、肝臓の健康にも役立ちます。今回ご紹介したポイントを少しずつ取り入れて、健康的な長生きを目指しましょう。