トクホとは?意外と知らない基礎知識

テレビCMなどで耳にして名前だけは知っているトクホ。一体どんなものなのか、ちゃんと説明できる人は意外と少ないものです。手軽にできる健康対策を求めている人に役立つトクホの基礎知識についてわかりやすくご紹介します。
トクホってなに?
トクホについて、健康に良さそうな食品というイメージを持っている人は多いはず。しかし、いわゆる健康食品と呼ばれる食品との違いなどがよくわかっていない人も多いのではないでしょうか。実は、国による審査や許可を受けていない健康食品は世の中に数多く存在します。
その中で、国による表示がしっかり制度化されている食品が3つあり、そのうちの一つが特定保健用食品(トクホ)です。ほかの二つは栄養機能食品(※1)、特別用途食品(※2)です。
※1:人の生命活動に必要な栄養素で科学的根拠のある栄養機能を表示した食品
※2:乳児・妊産婦・病者などの発育や健康保持、回復に適する特別用途について表示する食品
トクホについての主なポイントを簡単にまとめると下記のようになります。
・消費者庁が定めた特定保健用食品のこと
・からだの生理学的機能などに影響を与える成分を含む食品である
・審査や許可を国から受けた食品のみがトクホ表示できる
・保健機能表示許可されている事柄は下記3つ
(1)血糖・血圧・血中のコレステロールなどを正常に保つことを助ける
(2)おなかの調子を整える
(3)骨の健康に役立つ
摂り方が決められているトクホ
トクホには、一日あたりの摂取目安量や摂取方法の表示が義務づけられています。
たとえば下記のような難消化性デキストリンを含むトクホには糖の吸収をおだやかにしてくれる作用があるため、食事のときに一緒に摂る必要があります。「食事の際に」とパッケージに注意書きがあるのはそのためです。
関与成分:難消化性デキストリン(食物繊維)
1日摂取目安量:3~8g
○食物繊維の働きにより糖の吸収をおだやかにしてくれる
×摂りすぎや体調によりおなかがゆるくなる場合もある
食品例:サントリー「ペプシスペシャル(490ml)」食事の際に1日1回
茶カテキンを含むトクホの商品は数多くありますが、これらについては飲むタイミングに決まりがありません。そのため商品にも摂るタイミングについての記載がされていません。運動をした方が脂肪代謝力が高まりますが、運動前や運動後などのタイミングにこだわらず継続的に飲めば効果を得られるとされています。
摂取量が決まっているトクホ
一般の健康食品には禁止されている健康への効果や機能についての表示を許可されているトクホ。しかし、摂れば摂るほどいいというものではないという点にも注意が必要です。
暴飲暴食を改めないままトクホの飲料を摂取していれば大丈夫、といった誤った考えはトクホの扱い方としてふさわしくありません。摂取量を守った上で健康維持に役立てましょう。
たとえばおなかの調子を整えるトクホの商品であっても、摂りすぎによっておなかがゆるくなる可能性のある商品もあります。過剰摂取に注意が必要な場合は商品のパッケージにその内容が書かれています。具体的な関与成分例は下記のとおり。
関与成分:ポリデキストロース(食物繊維)
1日摂取目安量:7~8g
○おなかの調子を整える
×摂りすぎや体調によりおなかがゆるくなる場合もある
食品例:大塚製薬「ファイブミニ(100ml)」1日1本
関与成分:大豆イソフラボンアグリコン
1日摂取目安量:64~76mg
○骨のカルシウム維持に役立つ
×過剰摂取は控えた方がよい(大豆イソフラボン含有製品の併用に注意)
食品例:フジッコ株式会社「大豆芽茶(195g)」1日1本
ーまとめー
トクホは、消費者庁から安全性や効果のお墨付きをもらっている食品。とはいえ過剰摂取などをしてしまうと健康を損なうリスクもあります。トクホに頼りすぎることなく、健康的な生活のための一助として賢く役立ててみてください。