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歯の健康は口腔ケアのみにあらず! 口の中の健康は、食事・咀嚼・消化吸収・運動の4要素で保つ

坂口あや
編集/ライター
アジアンセラピスト
2018年05月22日

虫歯や歯周病の原因は細菌感染が原因です。虫歯の治療をする前に口腔内の菌の除去をすることにより、今後の虫歯、歯周病(歯槽膿漏)の予防ができます。

歯周病は口腔内中の歯周病菌が歯の周りに付着して毒素を排出することにより、人間の骨に感染しないように骨が吸収(退縮)する疾患です。放っておけば、歯がグラグラして抜けてしまったり、歯周病の毒素が全身に広がり、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こしたりすることもあるのです。

人が生きていく上で必要不可欠な「食事」は、口の中の健康なくしては満足に摂ることができません。そして「自力で食べられなくなること」が、身体の衰えを早めていきます。

「健康で人生を全うするためには、食べるものに気をつけることがまず大切。健康的な食事を正しい噛み合わせで咀嚼し、整った内臓で消化・吸収・排便して、正しい姿勢・歩行を維持することが必要です」

こう語るのは、歯科医院でありながら、その敷地内に内科・カフェ・メディカルフィットネスを併設した28CliniCの野上宏明理事長。少しでも長く自分の歯を使った生活を続けるためには、日頃の生活を見直すことから始めるべきというのが先生の持論です。

そこで今回は、歯周病をはじめとする口腔トラブルから歯を守り、健康な生活を長く続けるために日頃から心がけるべきことについて、お話を伺いました。

28Clinic 野上歯科医院野上宏明 理事長・博士(歯学)さん

30歳以上の成人の80%は罹患している歯周病

日本臨床歯周病学会によると、30歳以上の成人のうち、80%が歯周病にかかっており、さらに厚労省の情報でも、歯を失う原因の80%以上が歯周病・虫歯によるものとされています。

「歯周病は歯の周りに強い毒性のある「バイオフィルム」(歯垢)が付着してできるもの。バイオフィルムが硬くなった歯石になる前に取らないと、自分では取れなくなります。まずはバイオフィルムが付着すると歯周病になるということを知っておくことが大切です。

歯磨きをした時に出血をしたことで歯周病を意識するようになったという人も多いと思いますが、野上理事長によれば、実際には「出血して気づく」というのは「手遅れ」とも言える重症の状態。できることならその手前でケアをしたいものです。そこで最初にするべきことは「定期的な口腔チェック」。ですが、歯科医ならどこでもいいというわけではないようです。

本当に信頼できる歯科医を見つけることが、健康な歯の未来をつくる

歯周病は今や完全に予防することができる時代。そのためには「自分に合った歯科医を探すこと」、そして「早めのケア」が大切なのだそうです。実は自分に合う歯科医を探すというのは意外と難しいもの。そこで野上理事長にいい歯科医を探す時のポイントについて伺ってみました。

●  顕微鏡や拡大鏡を使った治療を行っていること

ちゃんと菌層まで確認して治療をするためには、顕微鏡や拡大鏡を使い、歯や歯茎の状態をミクロで診て治療を行う必要があります。現在、顕微鏡を使った治療をしている歯科医院は全国のわずか3%ほど。こうした治療法を行っているところは概ねHPにその旨が掲載されているので歯科医を選ぶ時の参考にするとよいでしょう。また、最新の設備を備えている、使用器具の滅菌処理が行っているなど、配慮が感じられる医院も好感がもてます。

●  治療方針を患者にきちんと説明してくれること

歯や歯茎の状態をきちんと診て、口腔内全体を考えて治療をしてくれる歯科医かどうかは重要なポイントです。例えば、すぐ歯を抜く歯科医が一概に悪いとは言えません。自分の歯を持たせようとして次の処置が複雑化し、結果的に歯周病が進んでしまったということもあるからです。全体を考えて治療をしてくれるか、また治療についての説明をしてくれるかどうかを判断基準にすると良いでしょう。

歯周病は、自覚症状が出る前にケアを行うことが理想的。しかし自分で発見することがほぼ不可能なのが現状です。「がんと同じで、検査で発見されるのでは遅い」と野上理事長。重要なのは本当に信頼できる歯医者さんを見つけて定期的にチェックを行い、正しい知識を得て病気にならないよう心がけることだと言えそうです。

35歳から始めたい。虫歯・歯周病予防は健康な体作りから

病気は早期発見・早期予防が大切。特に歯周病は今や完全に予防ができる病気なのだそうです。歯を失う原因は虫歯・歯周病・力(咬合力)の3点。意外なのは原因の一つに「力(咬合力)」があるところです。

歯周病は口腔内の菌が原因の疾患ですが、歯に必要以上の力が加わる「歯ぎしり」や「食いしばり」によって歯が割れたり欠けたりしたところに菌が入り込み、虫歯や歯周病になったりするのだそうです。

さらにはこの「力のコントロール」は、歯だけではなく全身の健康にもつながっていると言います。

「例えば、血糖値が低くなった時に血糖値をあげる働きを行うのは交感神経です。また、緊張した時にグッと噛んだりする咬筋も興奮系の筋肉=交感神経系とされています。通常、寝ている間は副交感神経が優位になっており、リラックスしているはずなのですが、体が緊張状態になっていると交感神経が優位になってしまいます。そうすると「食いしばり」や「歯ぎしり」が起きてしまう可能性があります。

そのような時にはビタミンB1、B6、ナイアシンなどのビタミンB群を摂取し、自律神経を整えると食いしばりが減ってくることも報告されています。また知覚過敏の激しい人にも精神安定作用のあるナイアシン(ビタミンB3)を投与することで副交感神経が働き、症状が緩和されたりします。唾液がでない時は、亜鉛などのミネラルを補ってあげると唾液が出るようになります。私たちが“口の中だけを見て判断しない”というのは、口の中だけ見ていても解決できないことがたくさんあるからです。」

歯周病は菌の感染力と体の免疫力との戦いです。全身の不調や免疫力の低下によって菌に体が負けて病気が進行しやすくなることから、予防のためには栄養バランスのとれた食生活を送り免疫力を上げることが必要です。また定期的な運動によって成長ホルモンの産生を促し、筋力をつけて免疫力を向上させることで、病気に負けない体を作ることができます。。28CliniCに内科やトレーニングルーム、カフェなどが入っている理由もそこにあります。

いま、歯科医師会では「80歳で20本の歯を残そう」という8020運動を促進しています。実際、80歳で20本の歯が残っている人の多くは前歯の接触がきちんとしており、奥歯の噛み合わせの負担が少ない方です。

噛み合わせが悪いと力の均衡が保てなくなり、歯を失ってしまう可能性が高くなります。そこで、歯を残せるように予防的に矯正治療を行ったり、噛み合わせを調整して、力の均衡を保つようにします。それと同時に、栄養バランスの良い食事をし、さらに摂取した食べ物の消化吸収を正常にするために腸を整え、筋力を維持して自分の足でしっかり歩く!ということを推奨しているのだそうです。

野上理事長によれば、8020運動は35歳からのスタートでも十分に間に合うとのこと。適切な虫歯や歯周病の予防・治療で全ての入口である口の中を健康に保つことはもちろん、健康で生き抜くための体作りも並行して行うよう心がけましょう。

取材協力

28CliniC 野上歯科医院

住所〒360-0032 埼玉県熊谷市銀座1丁目188
電話番号048-521-1333

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