健康インセンティブとは?国や企業、健保の取り組みを詳しく紹介

健康は生きる上での重要なプラス要素です。また、個人的な問題に止まらず国や企業、健保にとっても医療費削減や業績アップなどの面でプラスとなります。
国や企業、健保が取り組んでいる健康インセンティブのしくみについて詳しくご紹介します。
健康インセンティブとは?
日本の平均寿命は世界的に高い水準を誇っています。ただし、国にとっても個人にとっても望ましいとされる形は、ただ寿命が長いだけではない健康長寿社会です。健康長寿社会を実現するためには、国民一人一人がそれぞれの年齢に合わせた健康的な活動をみずから心がける必要があります。
しかし、地域や職場で健康づくりのための活動を行っても健康に対して無関心な人が多く、これまでの課題とされてきました。健康に無関心な人の割合は7割にも及びます。ただ健康情報を目や耳にするような働きかけだけでは、健康のための新たな行動に結びつけられなかったのです。
この問題を解決するため、健康に無関心な人が健康づくりへの第一歩を踏み出すための方策としてインセンティブを提供する試みが始まっています。インセンティブとは特典のことであり、健康づくりに取り組んだ人に対しインセンティブが提供されるというわかりやすいしくみによる働きかけです。
インセンティブの報酬は取り組みへの動機づけとなるよう魅力的でなければなりません。健康グッズや商品券、社会的な表彰など、さまざまな人の価値観に合わせられる内容となる工夫が求められています。
健康づくりの一環「健康ポイント制度」とは?
健康づくりへの関心を高めるためのわかりやすいインセンティブとして、健康ポイント制度が注目を集めています。健康ポイント制度は、総務省や厚生労働省、文部科学省が支援する形で2014年から始まりました。
健康づくりのために運動をしたり健康診断を受診したり、受診結果に合わせて改善を目指す行動を起こしたりした人に対してポイントを付与するしくみです。
たまったポイントは物品等と交換できます。歩数計や血圧計といった健康グッズはもちろんのこと一般の生活用品などが対象となるケースも見られます。スポーツクラブの利用券や割引券、人間ドックの割引券であれば健康的な生活を実現するために活用でき、一石二鳥です。
健康ポイント制度では誰にでもわかりやすい形でインセンティブ(特典)を与えられるため、幅広い年代の人が興味を持って健康づくりへの新たな行動を起こす成果が見られ始めています。
健康インセンティブをすることで、どんなメリットが生まれる?
健康インセンティブを導入している企業や自治体は全国にすでに存在し、それぞれに工夫を重ねながらさらなる広がりを目指しています。健康インセンティブの取り組み事例を三つご紹介しましょう。
・健診結果がよかった場合や今までに比べて改善した人などに対し、成果に応じたポイントが付与される。ポイントはネットショッピングやグルメ商品、美容用品などと交換可能。
・歩数を増やすなどの日々の運動や食事などにおいて健康的な行動をした人に対し、ポイントが付与される。ポイントに応じて協賛企業からの景品を獲得できる。
・運動や体重測定などの健康的な行動に対しポイントが付与され、地域で利用可能な割引特典などがついたカードも発行される。
健康インセンティブを利用すると、健康になって医療費がかからなくなるだけでなくメタボ対策により見た目にも自信が持てるようになります。さらにポイントで欲しいものを手に入れられるため、よいことずくめではないでしょうか。
ポイント目当てで始めた運動がストレス解消につながり、日々の生活が豊かになる人もいます。外出時に何かと車に頼っていた人が自転車や徒歩に変更すればガソリン代の節約にもつながり、さらなる金銭的なメリットを得られるでしょう。
ーまとめー
個人の健康づくりへのきっかけとして注目されている健康インセンティブ制度。このしくみにより国全体が元気になることはいうまでもありません。健康の価値に私たち自身が早く気がつき、積極的に利用していきたいものです。