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つみたてNISAで始めよう!現役世代にこそ必要な長期でコツコツ積立投資

向井 洋平
IICパートナーズ 常務取締役
年金数理人
1級DCプランナー
2017年10月24日

2018年からつみたてNISA(ニーサ)という画期的な投資の仕組みが始まるのをご存知ですか?

投資というと、お金持ちがやることで自分には関係ないことだと思っている方も多いかもしれません。実際、銀行などの金融機関も、退職金を受け取った高年齢層をターゲットに売りやすくて手数料の高い投資商品の勧誘を行うなどの営業手法を取ってきました。

しかし、年金以外に収入のないリタイア世代は本来投資に対して慎重に考えなければならない世代です。目先の手数料収入を優先して顧客本位の姿勢を取ってこなかった金融機関を国(金融庁)は厳しく批判し、「顧客本位の業務運営に関する原則」を打ち出すなど、これまでの政策を大きく転換しつつあります。

つみたてNISAもそうした流れの中で誕生した仕組みです。投資は、これから将来に向けて長い期間をかけて資金を積み立てていく現役世代にこそ必要とされているものであり、つみたてNISAはそれを後押しするために導入されました。

ではつみたてNISAとはどんな仕組みで、普通の投資とは何が違うのか?その特徴を知って、上手に、そして確実に将来の資金を積み立てていきましょう!

あらかじめ投資商品を厳選

世の中にはありとあらゆる投資商品があり、その中から長期の積立投資に適したものを見極めるのは簡単なことではありません。しかしつみたてNISAでは、金融庁が対象商品に厳しい条件を付けることによって、長期の積立投資に適さない商品は購入できない仕組みになっています。

具体的には、株式を主な投資対象とする投資信託であって、次のような条件を満たす商品だけがつみたてNISAの対象となります。

・ 販売手数料や解約手数料がかからないこと
・ 信託報酬(運用の手数料)が一定水準以下であること
・ 利益を毎月払い出してしまう毎月分配型でないこと
・ アクティブ運用商品(市場との連動を目標としない商品)については5年以上の運用実績があり、そのうち3分の2以上の期間で新規の買い付けが解約を上回っていること…など

国内で一般に購入できる投資信託は6000本以上ありますが、上記の条件を満たし、金融庁の登録を受けた商品はわずか114本と全体の2%程度です(2017年10月13日現在)。このため、投資経験のない初心者でも自分に適した商品を選びやすくなっています

購入のタイミングに左右されない定期積立

まとまった資金で一度に投資する場合、購入のタイミングによってその後の運用成果が大きく左右されます。購入後に価格が上昇すれば大きな運用収益を得ることができますが、価格が下がれば損失が出てしまいます。しかし価格の上昇や下落のタイミングを見極めるのは運用のプロであっても簡単なことでありません。

この点、つみたてNISAでは選択した商品を一定額、定期的に継続して購入することが前提となっています。例えば、世界の株式を投資対象とする商品Aを、毎月1日に1万円ずつ購入していく、といった具合です(年間購入額は最大40万円まで)。

このようにコツコツ継続して投資していくことにより、短期的な価格の変動に左右されることなく、長期的な経済の成長に見合った収益をより確実に積み上げていくことができます。また、手元にまとまった資金がなくても、毎月の給料やボーナスから無理のない範囲で投資を始めることができます。

購入後20年間は売却益が出ても税金なし

上記のように、現役世代の将来に向けた資産形成にふさわしい投資商品や投資方法に対象を絞ったうえで、国はこれを後押しするために税金を免除する措置を設けています。

通常、投資商品から得られた利益に対しては、所得税・住民税合わせて20%の税金がかかります。例えば、累計100万円の投資額に対して、売却等により得た金額が150万円であれば差額の50万円が利益となりますが、このうち10万円(=50万円×20%)は税金として取られてしまうので、手元に残るのは40万円となります。

これに対して、つみたてNISAの口座で購入した投資商品については、購入から20年間という長期にわたって税金が非課税となります。上記の例でいえば、50万円の利益がまるまる手元に残ることとなります。

実は、これまでも(「つみたて」が付かない一般の)NISAという税金が非課税となる仕組みがありました。一般NISAでは投資商品や投資方法が限定されておらず、年間購入額の上限も120万円とつみたてNISAより大きくなっています。しかし一般NISAでの非課税期間は5年に限定されているため、長期の積立投資には必ずしも適したものとは言えません。

2018年からは1年ごとに一般NISAとつみたてNISAのいずれかを選択できるようになりますが、1人で同時に両方を利用することはできません。将来に向けて投資を始めてみようと思った方は、まずはつみたてNISAの利用を考えてみてはいかがでしょうか。

なお、つみたてNISAを始めるには取引を行う金融機関(銀行や証券会社)を1つ選び、そこで専用口座を開く必要があります。このとき、どういう基準で金融機関を選べばいいのかについては、また別の機会に解説したいと思います。

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